新事業を立ち上げる際に国や自治体が補助金制度を設けています。条件が合えば、上手く活用して、ECビジネス事業を立ち上げたいものです。今回は事業再構築補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金3つの補助金制度について、各補助金制度の資料を元に噛み砕いて説明します。
尚、制度の内容は変更になることもあります。制度に興味をもった際には、改めて制度元の資料を参照し、準備してください。
事業再構築補助金について
この補助金は、中小企業庁が実施する補助金制度です。新型コロナウイルス感染症の流行でビジネスに打撃を受けた中小企業と中堅企業の思い切った事業再編を支援するための補助金で、規模の大きなものです。
今までリアル店舗のみの展開をしていた企業が、ECサイトを構築してビジネスの転換を図ることは、この補助金の支給を受ける対象です。しかしながら、簡単に補助金は得られません。事業計画の実現性を求められ、審査は厳しいです。受給決定後も5年間の年次報告書を求められチェックされます。
中小企業はプロジェクト費の2/3(6,000万円超は1/2)、中堅企業はプロジェクト費の1/2(4,000万円超は1/3)の割合で補助されます。また、事業をきっかけに、中小企業が中堅企業へ成長が認められる場合や中堅企業がグローバル展開を果たす場合なら、最大1億円が補助されます。
第4回の公募
公募開始:令和3年10月28日(木)
申請受付:令和3年11月中旬予定
応募締切:令和3年12月21日(火)
第5回の公募は、令和4年1月中に開始される予定です。
申請要件
2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して5%以上減少していること
事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと
認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンドなど)も参加して策定します。補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加、又は従業員1人 当たり付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定します。
詳しくは、事業再構築補助金サイト:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/ をご確認ください。
IT導入補助金について
中小企業や小規模事業者や個人事業主が対象で、ITツール導入のために国が費用を負担してくれる制度です。通常枠のA類型、B類型と低感染リスク型ビジネス枠のC類型、D類型と2種類あります。
この中でECサイト構築に関係するのは、C類型です。補助率は経費の2/3で、最大450万円が補助されます。複数プロセスの非対面化や業務の更なる効率化を目的とした事業が対象要件です。また、PC・タブレットなどのハードウェアにかかるレンタル費用も補助対象です。
しかしながら、この補助金の対象となるITツールは、国が認めたものです。以下でそのツールを検索できますので、申し込みを決める前に確認をしましょう。
https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html
今後のスケジュールは以下の通りです。
第4次締切分
締切日:2021年11月17日(水)17:00
交付決定日:2021年12月15日(水)(予定)
第5次締切分
締切日:2021年12月中旬
交付決定日:2022年1月中予定
アップデートや詳細は、IT導入補助金2021サイト:https://www.it-hojo.jp/ をご覧ください。
小規模事業者持続化補助金について
この補助金では、低感染リスク型ビジネス枠の募集をしています。コロナ禍において、対人接触機会を減らすため、新たにビジネスやサービスの導入を図る小規模事業者を支援するものです。
対象者は、常時使用する従業員が5人以下の商業・サービス業、常時使用する従業員が20人以下の宿泊業・娯楽業・製造業その他です。
補助対象となるのは、機械装置等の設置、広報費、展示会等出展費、開発費、資料購入費、雑役務費、賃料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費です。
そのため、ECサイト開発費や、集客のためのWEB広告費なども補助対象です。補助率は経費の3/4で上限が100万円です。
第4回受付締切:2021年11月10日
第5回受付締切:2022年1月12日
第6回受付締切:2022年3月9日
詳細及び申請資料は、小規模事業者持続化補助金サイト:https://www.jizokuka-post-corona.jp/ をご覧ください。
まとめ
このようにEC事業を始めるにあたって、応募できる補助金制度があります。上記以外にも各自治体が提供するIT補助金があったり、今後も新たな制度ができる可能性もあります。返済不要の補助金は、新規ビジネスを立ち上げる助けになります。細目に確認して、有効に活用したいものです。