実店舗との違いは何?通販サイト制作で考えるべき4つのポイント

コロナ禍で、実店舗を持つ企業が通販サイトに乗り出すことが増えてきました。
しかし、実店舗と同じ感覚で通販サイトを作ってしまうと失敗する可能性も。今回は、実店舗との違いからみた通販サイト制作のポイントを解説します。

対象の顧客層を考え直す

実店舗では、来店できるエリアに住む消費者が対象顧客でした。通販サイトでは、立地は関係ありません。今までアクセスできなかった国内の地域だけでなく、海外の消費者も対象顧客にすることができるのです。

これは、ECプラットフォームの選定にも関わることです。海外の消費者を主に対象顧客にするならば、越境ECの機能がついたシステムを選んだり、その分野に強い制作会社やコンサルタントを見つける必要がでてきます。

また、今までと違う対象顧客を意識したコミュニケーション戦略を考えなくてはいけません。プロモーションの方法はもちろん、迅速な問い合わせ対応も求められてきます。おそらく、消費者からの想定外の反応もあることでしょう。その都度、対象顧客の立場に合わせたサイトに改善していく必要があります。

商品ラインアップを見直す

在庫を少なくできるメリット

通販サイトのメリットとして、在庫管理を少なくできるという点があります。
製品の種類によっては難しいこともありますが、注文が入ってから仕入れるようにすれば、賞味期限や消費期限による影響を受けることはありません。

今まで実店舗では売るのをためらっていた物でも、通販ならチャレンジできるものも出てきます。

また、空間が限られる店舗では、商品の数が限られてしまいますが、通販サイトであれば、より多くの商品を載せることができます。そのため実店舗と通販サイトでは、販売戦略が異なってきます。

サイト限定商品の販売

実店舗と通販サイトの両方を持つ企業では、限定商品の販売をすることで、在庫管理の効率化が図れます。例えばアパレルの場合、通販サイトをつくることで、より多くの消費者層にアプローチができ、特別なサイズの需要にも応えることができるようになります。

レギュラーサイズより需要は少ないため、店舗のみで販売する場合、各店舗に置くことができる在庫が少なくなります。しかし、オンライン限定にすることで、在庫を1つの場所に集めることができ、効率的に在庫管理ができるようになるのです。
また、オンライン限定を作ることで、サイトでの購入促進や再来訪を促すことができます。

情報提供を工夫する

実店舗では、消費者は実際に商品を手に取ることができます。サイズを確認し、質感を見て、わからないことがあれば、すぐに店員に質問し、購入を決めます。

一方、通販サイトでは、実物は手に取れない、すぐに質問ができないというデメリットがあります。そのため情報提供に工夫が必要です。

サイトに掲載する写真は購買意欲に大きな影響を持ちます。複数の角度から撮った写真や、使用シーンを想像できるイメージ写真、素材のアップ写真など。最近は動画を載せることも増えてきました。特にアパレルの場合は、多くの画像が必要です。

また商品紹介を充実していく必要があります。商品の基本情報、サイズ、素材、色情報など実際に確認できない分、多くの情報を載せるようにしましょう。

また、質問にすぐに答えられる機能や体制づくりも考慮が必要です。

オムニチャネルの視点を持つ

オムニチャネルとは、通販サイト、店舗、SNS、広告などオンライン・オフラインに関わらず、消費者と接点のあるあらゆるチャネルを連携した販売戦略のことです。

一昔前まで、通販サイトと実店舗は競合関係にありました。実店舗で商品を体験した消費者が通販サイトで購入することは、実店舗の売上を奪う考えられていました。

一方、オムニチャネルは、店舗での体験と通販サイトでの購入が繋がり、リアルとネットの垣根をなくしたショッピングの形なのです。

そのために必要な事は、まず自社のスタッフの意識改革でしす。EC担当と実店舗の担当が競争関係にあるとブランドとして一環したサービス提供が難しくなります。これを解決する一つの手段として、販売部門で組織をつくるのではなく、ブランドやジャンルで組織作りをし、「どこで買ってもその部門の売上になる」ようにすると、ネットから店舗へ、店舗からネットへ送客し合うようになり、ネットで注文して店舗で受け取るようなことも進めやすくなります。
そして、在庫情報、顧客情報や注文情報などあらゆるデータを一元管理することです。
ヨドバシカメラやユナイテッドアローズではネット上でも実店舗の在庫を確認でき、ネット注文も店頭受け取りも実現しています。お客さまの利便性を最大化することがオムにチャネルのポイントです。

まとめ

実店舗と通販サイトの違いから、サイト制作時に考えるべき4つのポイントをご紹介しました。通販サイトにより、ターゲットとなる消費者が各段に広がり、顧客を増やすことができます。

しかしながら、売上拡大のポテンシャルを秘めている通販サイトも、インターネットの世界では競合サイトが乱立しているのが実情です。

その中で埋もれないために、消費者が安心して利用できるサイト制作が成功のカギとなります。新たなターゲット層の立場に立ち、商品のラインアップを検討し、正確で充実した情報提供とオムニチャネルの視点を持ってサイトを制作していくことが重要です。