知らないでは済まされない!ネットショップのサイト制作前に必要な許可や法律

ネットショップを制作するには多くの準備が必要です。その中でも今回は、確認しておくべき許可や法律について紹介します。しかし、迷った時は専門家への相談が確実です。

ネットショップ制作前に必要な許可について

扱う商品により届け出が必要なものがあります。許諾の有無を調べて、正しい手続きをしていきます。

中古品を扱う場合

事業として中古品の買取と販売を行うためには、古物営業法に基づき、古物商許可を取る必要があります。中古品として扱われる商品は13品目。
・衣類
・機械工具類
・金券類
・事務機器類
・時計・宝飾品類
・自動車
・自転車
・自動二輪車・原動機つき自転車
・写真機類
・書籍
・道具類
・皮革、ゴム製品類13
・美術品類

営業している会社を管轄する都道府県の公安委員会から、許可を取る必要があります。最寄りの警察署の生活安全課か防犯課が申請の窓口です。担当者が不在の場合や、管轄が異なる場合もありますので、事前に電話をして来訪の予約をとりましょう。

警察署で受け取った提出に必要な書類に記入し、事前に法務省のホームページから請求した登記事項証明書や本籍のある役所で身分証明書を取り寄せ、経歴書と手数料を添えて申請します。(申請に必要な書類は変わる事もあるので、警察署で確認しましょう)

食品を販売する場合

食品をネットショップで販売する場合は、基本的に食品衛生法に基づく営業許可と食品衛生責任者資格の取得が必要です。ただし、扱う食品の種類により必要な許可が異なる場合や不要な場合があります。法律に詳しいネットショップコンサルタントや弁護士に相談すると安心です。

食品衛生法に基づく営業許可について

例えば、「自宅でケーキを作って売りたい」、「今まではグッズのみの販売だったが、食品を製造して販売する事業を立ち上げたい」、「現在飲食店をやっているが、人気のスイーツをインターネットで販売して売上を上げたい」など、手作りや新たに食品製造・販売を始める場合は必要になります。

ただし、食品衛生法に基づく営業許可が必要ない場合もあります。
「許可を受けた施設で製造されたパック入りの商品」、「仕入れたスナックで小分けせずにそのままの状態の商品」、「缶やビンなどにはいったジュース」、「農作物」などです。

これらのケースも都道府県の条例により許可が求められるケースもあります。
その商品が、インターネットでの販売が問題ないかも合わせて、管轄の保健所に問い合わせする事が重要です。

食品衛生責任者資格

食品衛生責任者は、食品販売や製造を行う全ての事業所において配置しなければいけない有資格者です。調理師や製菓衛生士の免許を持っている場合は、新たに資格を取る必要はありませんが、取得していなければ、自治体が主催する講習会を受ければ取得できます。

食品衛生法に基づく営業許可を申請するには、食品衛生責任者が必要です。この資格を取得してから、申請をします。

届け出が必要なその他の商品

上記では、ネットショップで扱う事の多い中古品と食品を販売するために必要な許可についてご紹介しました。その他の商品で届け出が必要なものについて以下に記載します。

健康食品の販売

種類により、食品衛生法、医薬品医療機器等法、薬機法が関わります。一般的に、医薬品医療機器等法に基づく許可が必要です。所轄の保健所や各都道府県の薬務課で申請しましょう。健康食品の種類により、届け出が異なる事がありますので、必ず確認するようにしましょう。

酒類の販売

酒税法が関わります。通信販売酒類小売業免許を所轄の税務署で申請します。

医薬品の販売

医薬品医療機器等法が関わります。薬局開設許可、医療品販売許可、特定販売届出などを所轄の保健所や各都道府県の薬務課で申請します。

化粧品の製造・販売

医薬品医療機器等法や薬機法が関わります。ブランド化粧品を直接輸入販売する場合には、化粧品製造販売許可。国内の製造業者や輸入業者からの仕入れの場合は不要になる事もありますが、医薬部外品製造販売許可が必要です。まずは、所轄の保健所や各都道府県の薬務課に相談すると安心です。

このように扱う商品により届け出が必要な場合があります。上記以外にも、特殊な商品を扱う場合に届け出が必要な場合がありますので、法律に詳しいネットショップコンサルタントや管轄機関に相談する事をおすすめします。

気を付けたい「特定商取引法に基づく表記」

特定商取引法は、トラブルから消費者を守るための法律です。事業者が守るべきルールとクーリングオフなどの消費者を保護するルールを規定しています。

特定商取引法の中では、訪問販売や電話勧誘販売など7種類の取引類型を定めていますが、ネットショップは通信販売の中に含まれます。

通信販売では、以下6つの行政規制が設けられています。これを破ると行政処分や罰則の対象になります。

・広告の表示(事業者の氏名(名称)、住所、電話番号などの表示が必要です)
・誇大広告等の禁止
・未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止
・前払い式通信販売の承諾等の通知(法第13条)
・契約解除に伴う債務不履行の禁止(法第14条)
・顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)

これらの行政規制の他、以下民事ルールもあります。

・契約の申込みの撤回または契約の解除

商品の引渡しを受けた日から数えて8日間以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。

※ただし、事業者が広告であらかじめ、この契約申し込みの撤回や解除につき、特約を表示していた場合は、特約によります。

・事業者の行為の差止請求

事業者が誇大広告などを行った場合、消費者団体は事業者に対して行為の停止や予防やその他の必要な措置を請求できます。

また、ネットショップは、サイトに「特定商取引法に基づく表記」を記載することが義務づけられています。

  1. 事業者名
  2. 所在地
  3. 連絡先
  4. 商品等の販売価格
  5. 送料などの商品代金以外の付帯費用
  6. 代金の支払時期
  7. 代金の支払い方法
  8. 商品等の引き渡し時期
  9. 返品の可否と条件

これらを表示しなかった場合、罰則の対象となることがあります。これは事業の規模は関係ありません。個人運営でも、副業として運営していても、表示が義務づけられています。

まとめ

ネットショップを立ち上げるまでには様々な準備が必要です。その中でも法的は準備は、罰則を受けたり、消費者からの信頼を失わないためにも必ず守りたいものです。しかし、細かい法律は分かりにくく、調べる手間もかかります。そのような時、弁護士やネットショップに詳しいコンサルタントに相談するのは1つの方法です。