ECサイトで押さえておきたい検索流入の増やし方 第1回:戦略キーワード

ECサイトを運営する中で、最も力を入れていきたい検索流入。いわゆるSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)と言われる検索エンジン対策には200以上もの要素があり、どれから手をつければいいのか、どこまで手を入れたらいいのか迷われていることも多いと思います。そこで、ECサイトにおいて押さえておきたいSEOのポイントについて、3回に渡り順を追ってお伝えしていきます。

第1回:戦略キーワード(今回の内容)
第2回:オンページSEO
第3回:リンクビルディング

SEOとは

SEOは、ユーザの検索キーワードに対し、自社のコンテンツを上位表示させるだけでなく、CTR(Click Through Rate=クリック率)を高め、リンク先のページでアクションを起こしてもらうことまで含まれます。

昨今のSEO業者は、特定のキーワードで1ページ目への掲載による成果報酬型を導入していますが、CTRが低ければ検索順位は下がりますし、ユーザアクションのないページも検索順位を下げられます。つまり、そのページの情報を欲する人に正しくリーチできてこそ、SEO対策と呼ぶことができます。

SEO対策はGoogleの考え方に近づけることで、まずは「Googleが掲げる10の真実」の理解から始めます。以下にポイントをまとめました。

1:ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる

Googleが提供するあらゆるものがユーザーファーストに設計されており、収入のために利便性を棄損することはありません。

2:1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番

検索問題の解決に焦点を絞り、そこで培った技術をGmail、Googleマップといった各種サービスに役立てます。

3:遅いより速いほうがいい

ユーザーの貴重な時間を浪費させないよう、無駄をそぎ落とし、常にスピードを念頭に置いています。

4:ウェブ上の民主主義は機能する

膨大なユーザが貼ったリンクを基準とし、200 以上の要素とPageRankによって、Webページの重要性を認識しています。

5:情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない

スマートフォンからWebサイトにアクセスするだけでなく、メールやカレンダー、動画など用途を広げていきます。

6:悪事を働かなくてもお金は稼げる

広告はユーザーの検索意図に合わせて表示され、目立たなくても効果は出せます。

7:世の中にはまだまだ情報があふれている

すでに多くのコンテンツを検索できるようになったが、ニュース アーカイブ、特許、学術誌、数十億枚の画像や数百万冊の書籍など、まだまだ検索したい情報は残っている。

8:情報のニーズはすべての国境を越える

130 を超える言語で利用でき、翻訳ツールを使用すれば、自分の知らない言語で書かれた地球の反対側のコンテンツも読むことができます。

9:スーツがなくても真剣に仕事はできる

チームで目標を達成することや個人の業績に対する誇りがあることが、創造性のある優秀な成果が上がりやすくなると考えています。

10:「すばらしい」では足りない

全世界のユーザーがまだ具体的にイメージしていないニーズを予測し、新たなスタンダードとなるサービスを作り出しています。

この中でも特に意識していただきたいのが、1~4の項目です。端的にまとめると、ユーザに役立つコンテンツの品質を高め、素早く辿り着けるようにし、リンクを集めましょうということです。

SEO対策の打ち合わせで「SEO的に~」と話し始めたら注意が必要です。その後に続く言葉は、SEOのテクニックを駆使して検索上位表示を狙おうという会話になりがちで、短期的な効果を狙った施策は、長期的にはデメリットとなるケースもあります。

ユーザに価値あるコンテンツを届けるには?が念頭にあって、SEO対策の第一歩といえます。

戦略キーワードを決める

Googleの考え方を理解したら、次は「どのようなキーワードで来店いただきたいか」を考えます。つまり、お店の商品を買ってくれるキーワード(CVRの高いキーワード)とは何かで、このキーワードを戦略キーワードと呼びます。

ECにおけるキーワードとCVRの関係は以下のようになります。

店舗名(メーカー直営店ならブランド名も含まれます)は、指名買いキーワードとされ、最も購入意欲の高いユーザが来店します。リピート購入が多い店舗は直接参照の割合も増えてくるため、相対的に指名買いキーワードが低くなるケースもあります。

売上につなげる最も重要なキーワードなので、店舗名検索をして1位ヒットが見込めない場合は、店舗名を変えることも検討します。店舗名検索ではトップページに来店されることになるので、新しい商品やキャンペーン、終売情報などリピートユーザーを意識したコンテンツを用意しましょう。

次のブランド名は、取り扱い商品のブランド、メーカーなどです。ブランド名で検索するユーザはすでにブランドのファンであることが多く、新商品や限定品に高い反応を示します。そのため、ブランド、メーカーの出す新商品の取り扱いは最優先で対応します。

昨今ではブランドが新商品をアナウンスする際、ニュースリリースだけでなく、ブランド自身が運営するSNSや直営のECサイトでも告知するので、商品登録が遅れるだけで売上をロストしてしまいます。

ブランドの紹介ページを用意し、新商品の取り扱いやテーマに沿ったコンテンツを用意しましょう。商品名検索では、商品名を知っているユーザと、商品名は分からないが頭の中ではイメージができているユーザに分かれます。

前者はページタイトルに商品名が入っていれば検索で探すことができますが、後者は頭にあるイメージで検索するため、それに対応するコンテンツを検討します。例えば、この商品を検索で探すことができるでしょうか。

商品名が分からない、ブランド名も思い出せないとすると、頭の中のイメージを言語化するはずです。この商品なら「ソファ ハイバック 二人がけ オフホワイト」といったワードで検索することになるでしょう。

このとき、検索結果の最上部にはGoogleショッピング広告が表示されます。

広告なので、当然のことながら出稿していないと表示されることはありません。インテリアや雑貨など、探しにくい商材であれば、広告も検討しましょう。

検索上位にはリストページ(商品が陳列されているページ)がヒットしやすくなっています。これはGoogleのアルゴリズムが商品ページよりも商品リストページの方が価値ある場合が多いと判断しているためです。

リストページはECのシステムが自動生成するために改善を見落としがちですが、商品ページよりも上位にきやすい特性があるので忘れずに対応しましょう。また、欲しい商品が決まっていないユーザも同様の探し方をしますので、潜在ユーザの獲得も期待できます。

最後に、想起ワードは共起ワードとも言い、検索キーワードに対して関連性が強く、それぞれのコンテンツで出現頻度の高いキーワードを指します。例えば、スマートフォンを説明するとき、「iPhone、アプリ、カメラ」などが必須のワードとして使われます。

もしかすると「SIMフリー、ドコモ、契約」などの購入方法に関係する情報や「スマホ脳、ストレートネック」といったリスク情報も必要になるかもしれません。

ECにおいては商品そのもののスペックに加えて、購入方法や配送、ギフト対応といった情報も考えられます。検索結果に表示されるページタイトルやMeta Descriptionを工夫して見込顧客の求めている情報を提示するようにしましょう。

まとめ

見込顧客に来店いただきたい戦略キーワードを決めたら、次は来店しやすくなる仕組みづくりを行います。第2回ではWebサイトのコンテンツやHTMLを最適化し、検索順位を上げるオンページSEOについて紹介します。

第2回:オンページSEO
第3回:リンクビルディング

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